« ■第55会上映会 『ロンドンスケッチ』 | トップページ | 上映会のお知らせ 『六ヶ所村ラプソディー』 »

2008年2月12日 (火)

■第56回上映会 『稟愛 ビンアイ』

 次回の上映会は、「山形国際ドキュメンタリー映画祭2007」の話題作『稟愛 ビンアイ』(監督:馮艶(フォン・イェン)中国/2007/中国語/カラー/ビデオ/114分)です。この作品は、「アジア千波万波」部門の最高賞である小川紳介賞、そして地域で上映活動を行う人々が“いちばん観客に見せたい映画”に与えられるコミュニティシネマ賞をダブル受賞しています。
 監督の馮艶さんは、昨年10月に行われた映画祭のポストイベントとして「さかた街なかキャンパス」で開催された第54回上映会に来場、通訳として御協力くださいました。その時は時間の関係で上映できなかった『稟愛』がいよいよ登場します。多数の皆様の御来場をお待ちしております。

●日時:[酒田] 3月8日(土)19:00~
  会場      さかた街なかキャンパス「まちなか未来研究室」
          (※駐車場はありません。市役所駐車場をご利用ください)
     [鶴岡] 3月9日(日)19:00~
          鶴岡協同の家 こぴあ 2階ホール

【内容紹介】
 現在建設中の三峡ダムが完成することによって移住させられる113万人の多くは農民。そのひとり、気概あふれる稟愛の7年間にカメラが寄り添う。移住を推し進めようとする役人と烈しく渡り合う姿とは対照的に、時に土を耕しながら時にろうそくの火に灯されながら語る不安、そして家族や結婚について話すときに見せる繊細な横顔。稟愛の心の機微を監督は粘り強く見つめ、可憐な表情を引き出し、そこに残ろうと彼女を駆り立てる土地に対する慈しみを掬い出す。

【審査員のことば】
 優しいまなざしで、カメラの対象であり友人であるビンアイを表現している映画『稟愛』に、わたしたちはドキュメンタリーの持つ根源的な癒しの力を感じることができた。そして、それはまさに、本賞の意味である小川紳介監督が後輩の監督に伝えてくれる最高の助言であると信じている。

【監督のことば】
 張稟愛は私がこれまでに出会った撮影対象の中で最も“余熱期間”が長い人だった。彼女が身の上話を打ち明けてくれたのは、知り合って8年経った後である。もうすぐ上がってくる水で家が沈み、最後の決断をしなければならないという大きな圧力を背負った時、過去の苦しい生活の想い出が堰を切った洪水のようにあふれでてきたのだ。私はこの潮衝に巻き込まれて流され、思うままに身動きができず、どこかでかつて聞いたことにあるような話に包まれて、相手の魂に触れた思いがし、一瞬の戦慄すら覚えた。稟愛が忙しい農作業の間で、政府役人との烈しい交渉の合間を縫って、カメラに向かってよどみなく話しかけてくる時、彼女の選択とこれまでの行動は、すべて彼女自身の人生経験によるものだと理解した。『稟愛』を仕上げてみると、彼女の話と現実の中で起きた“事件”とのクロスオーバーは、撮影の順序と完全に合致していると気がついた。生活は私たちの想像を遙かに超えるほど複雑で豊かなものである。この偶然の一致で、私は映画を“構成”しようとする自分の努力が愚かで余計なものだと、ただただ嘆くばかりであった。

【監督プロフィール】
馮艶(フォン・イェン) Feng Yan
 生粋の天津人。天津の大学で日本文学を勉強後、1988年より13年間日本に滞在。1994年からドキュメンタリー製作を開始。初の長編作品『長江の夢』はYIDFF’97アジア千波万波、第22回香港国際映画祭、1998年第1回台湾国際ドキュメンタリー映画祭(優秀記録賞)などで上映された。『稟愛』は2007年第4回中国ドキュメンタリー映画際で優秀記録賞を受賞。

●料金:一般 1000円 / 学生(大学生以下)・シニア(60歳以上)500円
     ※会員無料
●主催:庄内ドキュメンタリー映画友の会
     特定非営利活動法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
●協力:まちなか未来研究室 / 鶴岡協同の家こぴあ / 酒田親子劇場 /
     平田映画サークルあるふぁ’85
●問合せ:酒田親子劇場 0234-23-3249
       ブログ http://shonai.air-nifty.com/dokitomo/
       E-mail ccp@mbi.nifty.com

|

« ■第55会上映会 『ロンドンスケッチ』 | トップページ | 上映会のお知らせ 『六ヶ所村ラプソディー』 »

コメント

いつも上映会にお越しいただき、感謝申し上げます。また、さっそくのコメントありがとうございました。

『稟愛』は、時間をかけて丁寧に撮られたことが観る人に伝わってくる映画でしたね。画面にひきこまれ、2時間弱の上映時間がとても短く感じられました。

来年度の上映計画はまだ決まっていませんが、よりよい上映会をめざして継続していきたいと思っておりますので、忌憚のない御意見・御感想をお寄せください。

また、友の会の例会以外にも、他の自主上映会との協力・連携を図っていきたいと考えています。明日は、鶴岡市で『六ヶ所村ラプソディー』の上映会がありますので、こちらにもぜひ足をお運びください。

今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: dokitomo | 2008年3月 9日 (日) 00:49

上映会ご苦労様です。
年度の最期に素晴らしい作品を見させていただきました。
このような作品があるから、ドキュメンタリー映画をやめられません。長い時間をかけてよく撮れたというシーンばかりですし、酒田にも来られた監督なので感慨です。

来年度も上映会の継続をお願いします。
連休や祝日に絡まない日程を希望します。

投稿: | 2008年3月 9日 (日) 00:23

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ■第55会上映会 『ロンドンスケッチ』 | トップページ | 上映会のお知らせ 『六ヶ所村ラプソディー』 »