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2008年1月 6日 (日)

■第55会上映会 『ロンドンスケッチ』

 新年あけましておめでとうございます。
 2008年最初の上映会は、山形国際ドキュメンタリー映画祭97でFIPRESCI(国際批評家連盟)特別賞を受賞したジョン・ジョスト監督の『ロンドンスケッチ』(アメリカ/1997/英語/カラー/ビデオ/91分)。常に新しい映像表現に挑戦してきたジョン・ジョスト監督が、1997年1月にほんの短期間ロンドンに滞在したときに撮影したスケッチのような作品で、20世紀も終わりにさしかかった大都市における現代の暮らしを印象的なスタンスで見せています。発表当時、ビデオ・ドキュメンタリーの新しい可能性を感じさせる、と評価されました。

●日時:[酒田]1月19日(土)19:00~
  会場     さかた街なかキャンパス「まちなか未来研究室」2階
        (※駐車場はありません。市役所駐車場をご利用ください)
     [鶴岡]1月20日(日)19:00~
         鶴岡協同の家こぴあ 2階ホール

【内容紹介】
 近年のビデオ技術の飛躍的な進歩、とりわけそのデジタル化は、好むと好まざるに関わらず、現代の映像表現を急激に揺さぶっている。世界のあらゆる価値観を揺さぶった60年代に登場して以来30年余り、ジョン・ジョストは常に我々が映像を通して世界を見るという制度を揺さぶり、くつがえし、新しいヴィジョンに挑戦してきた。そして彼は今、デジタルビデオカメラを手に、その切り開く新しい表現の可能性を…楽しんでいる!

 『ロンドンスケッチ』はその題名通りロンドンのスケッチ、この都市にほんの短期間滞在した旅人の短評にすぎない。機材にしても生フィルムのカメラよりずっと手軽で、長期取材、定点観測、あるいは故郷の街へのこだわりといった既存のドキュメンタリーのクリシェからまったく自由なこのジョストの新しい局面は、故意に軽薄だ。だがその軽薄さの果てしなく持続する時間、たとえば、地下鉄の車窓の反映を延々と凝視するデジタルの映像に、既存の“映画”に囚われたカメラが捉えたことのない“今”が映っている。  水原文人(「YIDFFユ97公式カタログ」より)

【監督のことば】
 『ロンドンスケッチ』は、まあ、正確に言えば − 短い、一種のスケッチ、ロンドンにちょっと滞在したときのメモ、まったく偶然にできあがったものだ。私にはどんな映画だろうと作ろうという気などなく、むしろ新しいデジタルビデオカメラの可能性を試して、楽しみながら、別のいくつかのプロジェクトのために手にしておきたかった映像を集めていた。この作品の中核は、1997年1月に別の用件でロンドンに滞在した際に、3日にも満たない期間、カジュアルに、ほとんど行き当たりばったりに撮影した − いったん家に戻ってこの映像素材を眼にして見て、そこに生き生きと、躍動している現在進行形のロンドン、新しい千年紀に近づきつつあるその姿が、写っているかもしれないということが、明らかになってきたのである。一度ひとつの編集をやってみた私は、足りない部分を埋める素材を集めにさらに一週間ロンドンに行った。すべては、まあ言ってみれば、遊びでやったことだ。その結果はもしかしたら、ただ題材だけでなく美学的にも(MTVっぽいという批判が出るかも、と心配ではあるが)、やはり場所 − 町や都市の肖像だった私のごく初期の映画に通ずるところがあるのかもしれない − その一番最初が1964年のシカゴで作った『City』なのだが、美学的に近い感覚を、この『ロンドンスケッチ』と奇妙に分かち合っている。

【監督プロフィール】
 ジョン・ジョスト John Jost
 1943年、シカゴの軍人の家庭に生まれる。ジョージア、カンザス、日本、イタリア、ドイツ、ヴァージニアで育つ。1963年に大学を退学になり、16mm映画を撮り始める。 短編20本、長編13本を製作、原案、脚本、撮影、監督、編集をすべて手がける。1965年に兵役拒否により、懲役2年3カ月に処せられる。釈放後、政治活動に参加し、シカゴで新左翼系映画製作・配給グループのニューズリールの立ち上げを支援。兵役拒否などに協力。1974年に初の長編を監督後、広範囲にわたり作品を製作、特にアメリカの時事問題を、映像エッセイや劇映画、実験作品などの様々な手法で取り扱う。1975年より、博物館、フィルム・ライブラリー、映画祭などで作品が上映される。山形国際ドキュメンタリー映画祭では1989年に『プレーントーク&コモンセンス』(1987)、1997年に『ロンドンスケッチ』(1997)、2001年に優秀賞を受賞した『シックス・イージー・ピーセス』(2000)を上映。

●料金:1000円 / 学生(大学生以下)・シニア(60歳以上) 500円
     ※会員無料
●主催:庄内ドキュメンタリー映画友の会
     NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
●協力:まちなか未来研究室 / 鶴岡協同の家こぴあ / 酒田親子劇場 /
     平田映画サークルあるふぁ'85
●問合せ:酒田親子劇場 0234-23-3249
       ブログ http://shonai.air-nifty.com/dokitomo/
       E-mail ccp@mbi.nifty.com

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コメント

昨日は最後まで上映会におつき合いいただき、ありがとうございました。

1階は展示で使っていたため急きょ会場を2階に変更したのですが、空調の作動音が大きく上映中は暖房を止めることにしました。下見の時には、1階からの暖気も上がってくるので大丈夫と判断したのですが、予想以上に気温が下がり寒さで映画に集中できない状況になってしまいました。皆さまに大変ご迷惑をおかけしたことを、この場を借りて深くお詫びいたします。来年度の会場については、再度検討したいと思います。

映画自体はストーリーのある作品ではないため、観る人によっては苦手なジャンルだったかもしれません。ただ、こうした映像表現もあることを知っていただきたかったのです。個人的には、デジタルビデオカメラという新しい機材を、なかば遊びながら徹底的に使おうとしているカメラワークや編集方法に、当時(といってもわずか10年前ですが)の最先端を走っていたジョン・ジョスト監督のパイオニア精神を感じました。

次回の上映作品『稟愛』は、魅力あふれる主人公・稟愛と彼女を見つめるフォン・イェン監督の人柄がにじみ出ているようなすばらしい作品です。御来場をお待ちしています。

また、来年度の上映希望作品については、このブログのコメント欄に書いていただいても結構ですので、ぜひ御意見・御希望をお聞かせください。

『六ヶ所村ラプソディー』上映会は、酒田在住の若い女性二人で企画したものです。日程と会場の都合から、鶴岡だけの上映(しかも友の会の上映会と同じ日)ですが、鎌仲ひとみ監督のお話もありますので、こちらにも是非足をお運びください。ちなみに、『六ヶ所村ラプソディー』は全国各地で上映されていますが、唯一山形県では上映されていないそうです。私も、使用済核燃料再処理工場が六ヶ所村に造られていることは知っていましたが、すでに完成し稼働直前だとは知って背筋が寒くなりました。こんな大事なことがほとんどニュースになっていない(知らされていない)なんて…。

投稿: dokitomo | 2008年1月20日 (日) 08:47

上映会ご苦労様でした。
・一年で一番つらい時期なのに、寒さとほこりっぽさが印象でした。中央公民館に戻りましょうと思ってしまいます。少なくともダンボール張りの部屋はないと思います。
・今回の作品自体は私の範疇でないのでノーコメントです。
ロンドンぽさは、MindTheGapくらいで。
・次回は秋に来てくださった監督の作品で、期待しています。あそこまで日本語ができる方です、多岐な視点に立ち考えさせてくれる作品であると望んでいます。
・来年度は、テーマのある作品をお願いします。
・六ヶ所村ラプソディの上映会はうれしく思います。昨年見たかった作品です。チラシをみると監督も来てくださるようで、できれば酒田でもやってほしい。

投稿: | 2008年1月20日 (日) 01:27

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