次回は、山形国際ドキュメンタリー映画祭2007のロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)受賞作品『鳳鳴(フォンミン)−中国の記憶』がいよいよ登場します。山形映画祭2003において、9時間5分の大作「鉄西区』で大賞を受賞した王兵(ワン・ビン)監督が再び栄冠を手にした作品です。ご期待ください。
◆ 第59回上映会 『鳳鳴(フォンミン)— 中国の記憶』FENGMING A Chinese Memoir
監督・脚本・撮影:王兵(ワン・ビン)
〈中国/2007/中国語/カラー/ビデオ/183分 〉
● 日時 / 会場
[酒田] 8月30日(土)18:00~ / 酒田市総合文化センター 401
[鶴岡] 8月31日(日)18:00~ / 鶴岡アートフォーラム 2階大会議室
● 料 金 一般 1000円 / 学生(大学生以下)・シニア(60歳以上)500円
※会員無料
● 主 催 庄内ドキュメンタリー映画友の会
特定非営利活動法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
● 協 力 酒田親子劇場 / 平田映画サークルあるふぁ’85
● 問合せ 0234-23-3249(酒田親子劇場)
【作品紹介】
ひとりの老女が雪道を歩きアパートへ向かう。赤い服を身にまといソファーに腰を掛けた彼女の名は、和鳳鳴(ホー・フォンミン)。地方の新聞記者として働いて結婚したが、同じく記者である夫の執筆した記事が原因で右派分子のレッテルを貼られ、ふたりは別々の強制収容所へ送られてしまうことに。1950年代以降の中国で起きた反右派闘争や文化大革命の粛正運動で数々の迫害を受け、1974年に名誉回復するまでの、約30年に渡るひとりの女性の壮大な物語が綴られていく。
【監督のことば】
1995年に初めて和鳳鳴に会った時、私はすでに彼女とその仕事について知っていた。しかし彼女の物語が持つ催眠的な力に気づいたのは、それから数年後、中国で出版された彼女の著作『経歴 我的1957』を読んだ時のことだった。1957年は、反右派闘争が始まった年だ。本の中で鳳鳴は、自分と夫が再教育キャンプに送られた時のことを回想する。そこでふたりは、他の多くの収容者と同様に、過酷な労働を課され、飢えに苦しみ、数々の屈辱を受けた。彼女の夫は、妻とふたりの子どもを残して命を落とした。そして後年、鳳鳴は周囲の反対を押し切り、インクと涙で自分の物語を書き上げる。
鳳鳴の世代はとても重要だ。中国で過去50年間に起きた大きな政治事件のすべてと、同時代を生きてきたからだ。彼らの物語を語ることで、現代の若い人たちにも、もっと自国の歴史について学び、ここ数年でこの国がいかに大きく変化したかを知ってもらいたいと思う。
私は母とともに農村で育った。母はいつも畑で働いていて、私も子どもの頃よく畑仕事を手伝った。子どもだった私は、村で開かれる“闘争”大会をよく見に行き、再教育のために村に送られた“悪質分子”が批判される様子を見ていた。私にとって、鳳鳴の記憶は、とてもリアルに感じられる。彼女は教養のある自立した老婦人で、真の意味であの時代の代弁者だ。彼女と同世代で、すすんでインタビューを受ける人は多くない。彼らのほとんどは、過去と対峙し自分の体験を話す勇気を奮い起こすことができずにいる。
この映画で描かれた人生に、証言に、人々は心を動かされるだろう。私自身、撮影しながら完全に鳳鳴の物語のとりこになった。観客のみなさんとも、同じ体験を分かち合えると信じている。 (プレスリリースより編集)
【監督プロフィール】
王兵(ワン・ビン) Wang Bing
1967年、陝西省生まれ。1992年、瀋陽にある魯迅美術学院で写真を専攻。1995年、北京電影学院撮影学科入学。1998年、インディペンデントの映像作家兼監督の仕事をスタート。1999年、インディペンデントの長編劇映画『偏差』で撮影を担当。その後、初のドキュメンタリー映画『鉄西区』を製作。2001年末に撮影が終了し、2002年ベルリン国際映画祭「フォーラム部門」に選ばれ、リスボン国際ドキュメンタリー映画祭でグランプリ、2003年のマルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭でグランプリ、YIDFF 2003でもロバート&フランシス・フラハティ賞を受賞した。本作は2007年のマルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭でジョルジュ・ド・ボールガール賞を受賞した。
→ 王兵(ワン・ビン)監督インタビュー
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