■第64回上映会 『A2』
次回の上映作品は、「山形国際ドキュメンタリー映画祭2001」で特別賞と市民賞をW受賞した『A2』を上映します。松本サリン事件から15年、地下鉄サリン事件から14年以上経過し、日本社会はどう変わったのか…。現在の視点で観るとまた違った印象を受けるのではないでしょうか。多数の皆様の御来場を心よりお待ちしております。
◆ 第64回上映会 『A2』
監督:森 達也
〈日本/2001/日本語/カラー/ビデオ/130分〉
● 日時 / 会場
[酒田]8月22日(土)19:00~ / 酒田市総合文化センター 401
[鶴岡]8月23日(日)19:00~ / 鶴岡アートフォーラム 2階大会議室
● 当日料金
一般 1000円 / シニア(60歳以上)700円 / ※学生(大学生以下)・会員無料
● 主催
庄内ドキュメンタリー映画友の会
特定非営利活動法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
● 協力
酒田親子劇場 / 平田映画サークルあるふぁ'85
● 問合せ
0234-23-3249(酒田親子劇場)
【作品紹介】
1999年9月。オウム(現名:アレフ)を取材した前作『A』からほぼ2年ぶりに、森達也は再びカメラを手に取った。この時期オウムは、日本各地にその拠点を分散し活動を続けていた。この作品に写し出される世界は、多くの日本人が認知している世界とは、あまりにも食い違っている。信者、移転先の地域住民、警察、右翼、マスコミ…それぞれの間に築き上げられる奇妙な共有空間。テレビでは伝えきれない「民衆の敵=オウム」をめぐる、日本社会のもうひとつの姿を浮かび上がらせる作品。
【監督のことば】
再びオウムを被写体にすることなど、絶対にありえないと当初は思っていたし、問われるたびにそう答えてきた。なぜなら「オウム」を視点に「日本社会」の断面を呈示する僕の表現行為は、前作『A』で終了している。未消化な部分など欠片もないし、言い足すことも今更何もない。
しかしこの数年、日本社会はまるで歯止めが外れたように急激に変質した。不況や治安の悪化をトリガーに世論は厳罰主義を強硬に主張し、メディアや警察権力がそれに乗じ、様々な国家統制の色合いを持つ法案が成立し、遂には太平洋戦争における日本のスタンスは正しかったと主張する勢力まで現れた。全ては地下鉄サリン以降なのだ。
僕は社会派ではない。でも日本人全てが他者への想像力を停止して、憎悪だけを発露させたこんな世相に対しての危惧ぐらいは感じている。オウムをこんな形で風化させてはいけない。日本をこんな形で収束させてはいけない。たぶん今回のクランクインとなったきっかけは本意ではない。でも今、最後の編集を終えてつくづく思う。切ないくらいに思う。「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい」。それだけはこの作品を観る人たちに伝えたい。それだけは知って欲しい。 (山形映画祭2001「公式カタログ」より)
【監督プロフィール】
森 達也 MORI Tatsuya
1956年新潟県生まれ。立教大学卒業後、自主製作映画や演劇活動を経て、番組制作の道へ。ディレクターとして、テレビ・ドキュメンタリー作品を多く制作。1998年、オウム真理教の荒木浩を主人公とするドキュメンタリー映画「A」を公開。ベルリン映画祭に正式招待され、プサン・香港・バンクーバーなど各国映画祭でも高い評価を受ける。2001年、続編となる映画「A2」が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞と市民賞を受賞。
著書に『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』、『職業欄はエスパー』、『放送禁止歌』、『世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい』、『ドキュメンタリーは嘘をつく』、『世界が完全に思考停止する前に』、『日本国憲法』、『ご臨終メディア』、『君が選んだ死刑のスイッチ』、『神さまってなに? 』など多数。




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